年齢とともに気になってくる目尻や目の下、口のまわりなどの小ジワ。専用化粧品でケアしてもなかなか効果が出ない、と困っている人も多いのではないでしょうか。実はこうした小ジワの治療に有効な外用薬があります。それがレチノイン酸です。
レチノイン酸はビタミンA誘導体の一種で、中でもトランス型の二重結合を形状をしているものはトレチノインと呼ばれ、シミの外用薬として知られています。これにはシワの中でも額や目尻、下瞼の小ジワ、あるいはほうれい線といった比較的浅いシワを治療することができます。トレチノインには軽いピーリング作用があり、肌に塗ると古くなった角質の剥離を促進します。古い角質がなくなると肌のターンオーバーが改善され、真皮層にあって肌の鳴りを支えている繊維組織であるコラーゲンやエラスチンの産生量が増えます。
それによって肌はハリを取り戻し、シワが治療できるというわけです。アメリカではシミ・ソバカス・シワの薬として認可されているトレチノインですが、日本では未認可であり、医師の管理下で製造・処方されるもののみが使用可能となっています。そのため、使用したい場合は必ず病院で医師の診断・処方を受ける必要があります。作用が強い薬で、赤みが出たり皮がむけたり、ヒリヒリするといった随伴症状があるため、必ず医師の指示の下で正しく使用しましょう。
あまりひどい場合はいったん使用を中止することがありますが、そうでない場合は紫外線などの刺激を避けながら注意深く使用するようにします。